コラム

歯周病

年を重ねたら、歯は抜けるもの?

高齢になると残っている自分の歯の数は少なくなる。歯ぐきは弱くなる。と思っていませんか?

2016年に行われた全国調査によると、後期高齢者(75歳以上)の平均の歯の残存歯数は約16本です。
この場合、本来持っている歯の本数28本の約半数しか残っておりません。
この、研究結果のとおり高齢者になると歯を失っている方は多くいます。

平成28年歯科疾患実態調査結果(構成労働省)によると、後期高齢者(75歳以上)の平均の歯の残存歯数は約16本です。<出典>厚生労働省「2016年歯科疾患実態調査」
この場合、本来持っている歯の本数28本の約半数しか残っておりません。
この、研究結果のとおり高齢者になると歯を失っている方は多くいます。

歯を失うと、もとに戻すことはできず従来の様に食事を楽しむためには、
入れ歯やインプラント等の人工物を入れて生活をしなければなりません。

なぜ、歯を失ってしまうのでしょうか?

日本人が歯を失う原因の第一位は歯周病という病気です。<出典>厚生労働省「2018年全国抜歯原因調査結果」
ちなみに第二位がむし歯です。多くの方が「入れ歯はむし歯のせい」と思っていらっしゃいます。


歯周病とは?

歯周病という病気は皆さん聞いたことはありますか?
昔は、歯槽膿漏(しそうのうろう)とも呼ばれていたため、呼び方に聞きなじみのある方もいるかもしれません。

歯周病は、むし歯と同じようにお口の中にいる細菌が原因でおこる病気です。
ただ、むし歯と大きく違う点は「自覚症状が出にくく、自分では気づきにくい病気」であるところです。
そして、気づいたころには進行が進んでおり歯を抜くしか選択肢がない場合もあります。

では、なぜ歯周病が進行すると歯を失うのでしょうか?

通常、歯は歯槽骨(しそうこつ)と呼ばれる骨によって支えられています。
この骨があるので、私たちは食べ物をしっかりと噛むことができます。

歯周病が進行していくと最初は歯茎に症状が現れます。この状態を歯肉炎と呼びます。
歯茎が炎症している状態なので、歯ブラシをしていると出血をすることもあります。
この、出血は体からのサインの1つです。
しかし「今日は、強く磨きすぎたのかな?」とサインを見逃してしまう方も多くいらっしゃいます。出血は歯周病の症状の一つです。決して見逃さないようにしましょう。

さらに、進行が進むと歯を支えている骨(歯槽骨)が破壊されはじめます。
歯周病は骨を破壊してしまう病気なのです。
歯周病の症状が進行すると、最終的に歯が抜け落ちてしまいます。


歯周病を防ぐためには?

歯周病の予防のために大切なことは歯垢(しこう)や歯石を取り除くことです。
この、歯垢や歯石は歯に付着している汚れです。つまり、お口の中を衛生的に保つことが重要とされています。
毎日の歯ブラシを丁寧に行い、歯科医院に定期的に通い歯科医師や歯科衛生士によるクリーニングを受けましょう。
特に、歯石は字の通り石のように硬くなった汚れの状態です。
歯石は、手の力(歯ブラシ)では取れません。歯科医院のプロのメンテナンスで取り除く必要があります。
なので、歯科医院に定期的に通いクリーニングをする必要があります。

この、コラムを読んで「将来の自分の歯を1本でも多く残したいな」や「最近、歯医者に行ってないな」、「定期健診で通ったことがない」と思った方は、一度歯科医院で「定期健診希望です」と受診してみましょう!

次回予告
次回のコラムは、「子どもの歯磨き」について紹介します。