コラム

私、僕はむし歯がない。そう思って歯医者さんにいかない人ほど要注意。

 

ある知人の話です。ある時歯科検診の話をしていた時、「僕はむし歯ないから歯医者さんなんかいかないよ。」そう言っていました。しかし2、3か月後、「歯抜いた!」とLINEに焦げ茶色で穴が開いた歯の写真が。次に「むし歯なった。」と一言。あんなに自信満々だったのに。あっけなく抜かれた奥歯。写真を見ながら空しい気持ちになりながらも、「むし歯がない。」その思い込みはこわいなと思いました。そこで今回、そういう思い込みをもって歯医者さんにいかない人を一人でも減らすべくむし歯予防についてのお話をしたいと思います。


どうしてむし歯になるの?

むし歯の原因はプラークです。プラーク*1に潜むむし歯菌が作り出す酸によって、歯が溶かされた状態がむし歯です。むし歯菌はショ糖を栄養源としています。
ショ糖の摂取だけでなく、歯磨きの仕方や唾液量の不足など、細菌の働きや繁殖を高めるリスクは多数あります。そのため、効果的にむし歯を予防するには、多角的な対策が必要です。
(むし歯になるまでの流れ)
① 口腔内にいるむし歯菌が、食べ物の中に含まれているショ糖を利用して、粘着性の高いプラークを、歯の溝や歯の表面などに作ります。

② プラークは住みやすい環境なので、むし歯菌が増えていきます。

③ むし菌は歯を溶かす酸を作ります。その酸によって歯のエナメル質*2や、
象牙質*3が溶かされていきます。この状態の歯をむし歯と言います。

用語解説
*1プラーク(歯垢):歯の表面に固着した細菌およびその産物の集塊
*2エナメル質:歯の歯冠の最表層にある、生体で最も硬い硬組織
*3象牙質:歯の主体をなす硬組織で,象牙芽細胞からつくられる。

 

 


 

 

あなたは大丈夫?むし歯菌に好かれてませんか?むし歯菌に好かれる主な原因3つ

①ショ糖
ショ糖はむし歯菌の大好物です。
ショ糖の摂取バランスが保たれると、むし歯によってつくられた酸は、唾液の作用によって中和され、唾液の働きによって再石灰化が行われ修復されますが、頻繁に食事をしたり、長時間食事していたりしてショ糖の摂取がアンバランスになってしまうと、むし歯が発生するリスクが高まってしまいます。
食事の頻度や時間に配慮して美味しく食事をしましょう。

②唾液の分泌量
唾液の分泌量はいつも一定ではなく、過度なストレス状態、アルコールの過剰摂取、喫煙習慣、加齢などの影響を受け、少なくなってしまう事もあります。唾液の分泌量が少なくなると、酸の中和作用や再石灰化の働きが弱まり、むし歯になりやすい口内環境となってしまいます。
生活習慣を改善し、必要ならばお医者さんに相談しましょう。

③不適切な歯磨き
自分では、ちゃんとやってるつもりでも磨き残しはあるものです。奥歯や裏側など磨き残しやすい箇所をチェックしましょう。また、歯ブラシだけでは、不十分なケアになりがちです。歯と歯の隙間にデンタルフロスや歯間ブラシなどを活用することが有効です。
100%自分で取り切れることはないので数か月に一度は歯医者さんで口の中をリセットしましょう。


定期的な歯科検診を!

自分の歯の健康は自分がよく知っている。そう思っている方も多いかもしれません。しかしむし歯のようにあまり自覚症状がないまま進んでしまうこともあります。

痛いと思ったら、気づいたら、帰らぬ歯に、そんなことにならないためにも、歯医者さんでの定期検診をオススメします。検診ではお家の歯みがきだけでは取り切れないプラークやガッチリ固まった歯石をお掃除してくれますので、お口もスッキリ。いいこと尽くしです。ぜひ、定期検診を!